自転車に乗れなかった頃には戻れない

僕は子供のころ、自転車に乗れるようになりたくて練習した記憶があります。

自転車は二つの車輪しかなくてとても不安定なものなので、すぐに左か右に倒れてしまったことを覚えています。

「自転車に乗る」ということは、それまでとは全く違った動きやバランスのとり方が必要となるので、カラダにとっては新しい感覚を知り、それに対応できるようになる必要があります。

これは結構大変なことなんですが、大変だからとやらないでいては、自転車に乗れるようにはなりません。

これは他の動きや技術、技能も同じことで、やり方を知らないことに挑戦しなければ、新しい事ができるようにはならないんですよね。

しかしそれができるようになってしまうと、できなくてウンウンと苦労していたことなどすっかり忘れて、できて当たり前になってしまいます。

そして、それが「できなかったころ」にはもう戻れないのです。

がんばって「自転車が乗れる状態」をキープしている人は少ないと思います(カラダの事情でそうせざるを得ない方はいらっしゃると思いますが)。

「がんばっても乗れなかった頃」と「当たり前のように乗れる現在」では、カラダの使い方が別次元のレベルになっているのです。

これはなにも自転車だけの話ではなくて、スポーツはもちろん日常の何気ない動きすべてにも同じことが言えます。

僕は以前ひどい腰痛持ちでしたが、腰痛に「なってしまう動き」と「ならない動き」がわかったため、今では全くと言っていいほど腰痛になることはなくなりました。むしろなぜあんなに腰痛で苦しんでいたのか分からないくらいです。

それは、「自転車に乗れなかった頃には戻れない」のと同じように、「腰痛にならない動きができなかった頃には戻れない」からです。

なにかのトレーニングをがんばって「腰痛にならないようにしている」わけではないんです。

腰痛にならないのが当たり前で、それ以前と後とでは、全く違う次元の動きになっているんです。

この「違う次元の動き」を模索することが、常に大事だと考えています。

新しい事(動き)に挑戦するということは、9割失敗するかもしれません。

でもそれでいいんです。100個やったら10個は成功してるかもしれない。

そして気づいたら、当たり前のようにいろいろできるようになっている。

そんなカラダを目指していきたいと思います。

 

身体革命

曽根 彰

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