『注ぐ』ということ

『注ぐ』

水をグラスに注ぐ、お茶をお湯のみに注ぐ。
いつも何気なく行っている動き。

日本語にはこの『注ぐ(注という文字)』を使った言いまわしが沢山あります。

愛情を注いで育てた息子、娘。
心血を注いで作った作品。
火に油を注ぐ。
注力する。
注意する。
注視する。
注目する。
注釈をつける。などなど。

もっとありますが、注いでばっかりです。

これだけ「注」という漢字ばかり見てると変な感じがしてきますね。

力を注ぐ、意を注ぐ、視線を注ぐ、解釈を注ぐ。
どれも液体ではありませんが、注いでいます。

注ぐというのは、でたらめにやっても上手くいきません。今日は皆さんに実際に水を注いでもらいました。

こぼれないように水を注ぐのは案外大変です。

傾けすぎたらもちろんこぼれるし、傾けなさすぎてもチョロチョロとこぼれます。なのでちょうどよい傾け方をキープする必要があります。
その時みんな無意識に、腕の力だけでやるのではなく体全体を使おうとします。

丁寧に、力を入れすぎず、自分勝手に動くのではなく水が注がれていくペースに合わせて、体全体で動いていきます。

おそらく、この時の感覚が意識や愛情、情熱、考えなどの大事なもの、大切にしたいものを何かに向けていきたい時の感覚と一致するから、『注ぐ』という言葉、文字を当てはめたのではないでしょうか。

体を使って動く時も、そこになにか水のようなものを注いでいきます。
力がこぼれていかないように、傾けすぎず、傾けなさすぎず。流れを途切らせないのと同時に、流せるペースも越えないように。

するとそれまで無駄に散らばっていた(こぼれていた)力がひとつの流れに注ぎ込まれて、質の良い動きに転換されていきます。

なにかの目的に向かって注ぐのも良いですが、最近は自分にも何かを注いであげるようにしています。

「それ」が何かはわかりません。目に見えない何かです。

でも『注ぐ』というのは丁寧で心地の良いものです。
いつでもできますから、自分にも丁寧に、なにかを注いであげていきましょう。

#大善寺

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