静岡県浜松市にある自動車部品メーカー「株式会社ソミック石川」さんにて、『仕事中のけがを予防するための動き方』をメインテーマに講座を行ってきました。
ソミックさんは国内外に多くの拠点を構え、1700名を超える従業員の方々が日々車関連の精密部品を製造している企業です。
その製造過程や開発過程における作業で腰や肩を痛めてしまう人を少しでも減らし、気持ちも前向きになってもらうことを目的としてお呼びいただきました。
今回はその第2弾とのことで、様々な部署で働く方にお集まりいただき、それぞれの方が抱えているカラダや動きのお悩みに僕がお答えしていくという形となりました。
とはいえ、講座を受けて頂く方からすれば僕は「この人だれ?」状態だと思うので、まずカラダの使い方を工夫するとどうなるか体験していただきました^^
もちろん中には僕よりもずっと体格の良い方もいらっしゃいますし、そんな方々に対してこれから僕の講座に興味を持って受けて頂こうと思えば、それなりに説得力のあることができなければなりません。
そこで、その「体格の良い」方々を中心にいろいろ受けて頂きました。
手のひらをかえすだけでとてつもない力を引き出せることや、股関節の動きを使うだけで大柄の人を振り回せちゃうことなど、おそらく今までに見たことは無いようなカラダの使い方や動きをご紹介していきました。
その中の「押し方」を説明するデモンストレーションでは、本気でやると本当に軽々と人1人くらいすっ飛んでくので、「全然加減はしますけど念のため飛んできた場合に受け止めてあげてください」と近くの方にお願いすると、「飛んでくんかい 笑」と、どよめきに似た笑いが起きてました(笑)
そして押された方はなぜか笑っちゃうんです。
何人かに体験していただきましたが、受ける前は飛ばされないようにぐっと耐えた表情なのが、飛ばされると皆さん笑ってしまうので、緊張もほぐれていい感じになってきました^^
すると興味をもってもらえたようで、そこからは本当に様々な動きの悩みが寄せられました。
作業のバリエーションは多岐にわたっていて、あまり詳しい内容はここでは言わない方がいいかもしれないので言えませんが、一般的な工具を使う場合や物を持って運ぶ場合など、動き方は違って見えても実は全てに共通する考え方や改善点があります。
それは「全身くまなく使う」ということです。
これは逆を言うと、普段は「部分的にしか動けていない」ということです。
講座中は大体立ってやる作業についての質問がほとんどでしたが、講座の終わりの時間を過ぎてからも「座ってやる作業はどうしたらいいですか?」
とご質問を頂きました。(ちなみに時間が来ても質問したいと思ってもらえることは僕にとってめちゃ嬉しいんです^^)
それまでは立っていることが前提だったので、足や股関節の動きを使っていきましょうねと言っていました。
でも座っている時にはその動きは使えないので、そのままでは解決になりません。
そこでその動きをやっていただきました。
写真のように、座った状態で右腕を前後に何度も動かさねばならず、ものすごく疲れてしまうというものでした。
たしかに座った状態では、立っている時のように足腰を使えません。しかし、ここでも「全身くまなく使う」というのは同じです。
動きを見せてもらった結果、やはり右腕が「中心となって」動いていたので、他にも動かせるところはあることをお伝えしました。少なくとも座っているおしりの部分から上は全部動くんですね。
なのでこの場合は、おしりから肩にかけての胴体(体幹)部分の動きをほとんど使っていない状態だったわけです。
そこでおしりを「ピョコピョコ」回転させる動きや、引くときには自分の上半身の体重をかけるなど、「腕中心」の動きからもっと大きな「体全体」の動きへと質的な転換をすると楽になることをお伝えしました。
僕は10年ほどカラダの使い方を師匠である甲野先生をはじめいろんな分野から学び研究してきたので、それがこのように様々な現場のお役に立てることが何よりも嬉しいですし、逆にいろんな課題を知ることで新しい解決策が思い浮かんできます。
なので、いろんな現場の動きに関するお悩みをぜひぜひお寄せいただければと思います。
講座後のアンケートでもご好評いただいたようで
「また参加したい」
「参加して本当に良かったと思える数少ない講座の一つとなり
仕事どうのこうのより単純に楽しかったです。」
などの嬉しい声を頂きました。
こんな風にまたみなさんに思っていただけるようにこれからもがんばります!^^
今回もこのような場を整えて下さった竹下さんをはじめソミック石川の皆さん、本当にありがとうございました。
またぜひぜひ新たな課題やお悩みをお寄せください^^
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